140 Chars

繋いだ手の温もりが優しく消える。触れ合った感覚がすうっと抜けていくやわらかな空気に包まれて、糸は弾けてしまった。胸の奥が鉛色の痛みに埋もれてゆく。ずっと一緒だった時からわかっていたはずなのに、どうして自分の胸の奥がこんなにも疼くのだろう。涙が零れたその先で、僕の影は嘲笑っていた。



ふと視線を外すと、純矢は額を机に押し付けて寝息を立てていた。ノートを左にめくってみると、なるほど日がこんなに傾いているのも頷ける。純矢はいつから寝ていたのだろう。それにしても可愛い寝顔だ。俺が視線を送っているのに起きる気配がしない。いっそ、悪戯でもしてやろうと俺は純矢に近づいた。



襟足の長さが気にかかる。いつも俺の目の前に座ってやがるから、余計に気になるんだ。視界がディスプレイの脇をすり抜けて書類にホチキスを留める造作の指先へ目線が追いつく。仕事中だというのに、まるで気分は部屋を覗き見するストーカーのようではないか。パチンという音が弾けて、俺は息を呑んだ。



背後から声がして、ボクは飛び上がりそうになった。数秒前まで二次元にいた彼が、一瞬にして写真から這い出て来たのかと錯覚しそうなくらい、ボクは動転していた。その様子を彼が気づかないはずはない。「何してたの?」何かしてたことくらいバレてるはずなのに、彼はボクの後ろ手に向けて訊いた。

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